番組審議会概要

富山テレビでは、放送番組の適正を図るため番組審議会を置き、番組等に関して委員の意見をお聞きしています。また、「BBTスクランブル」(今月は最終日曜あさ5:05~5:15)内で、番組審議会の様子をお伝えしています。


今回の審議番組

9月度番組審議会は富山市が「まん延防止重点措置」適用の為、富山テレビ社屋での開催を中止し、書面による審議といたしました。

令和3年5月30日(日)13時35分~14時35分

「大雪と依存社会」


今年1月、北陸地方を襲った記録的な大雪。富山市内の積雪は35年ぶりに1メートルを超え、公共交通機関は軒並み運休、通勤・通学、他県からの物流が滞るなど、大きな被害が出ました。その中でも、最も影響を受けたのが「道路」です。至る所で車がスタック、高速道路、幹線道路で大型トラックが立ち往生し、大渋滞が発生、追いつかない除雪作業に行政への苦情が相次ぎました。一方、行政から委託を受けた除雪業者は「フル稼働したが間に合わなかった」と口を揃えました。被害は防ぐ事が出来なかったのか。取材を進めると、昭和38年「38豪雪」をきっかけに道路除雪・融雪装置整備などの体制が充実、住民に「除雪は行政がするもの」という「行政依存」が生まれて来た事、また、社会インフラが整い、除雪する道路が延長することで、急激な積雪に除雪が追い付かなくなっている現状も見えてきました。
「公助」に依存せず「共助」する社会をどう作っていくのか。県内外で始まっている取り組みを番組化しました。


出席委員(敬称略)

委員長 :伊東潤一郎
副委員長:松田英昭
委員  :石﨑大善・岡本有紀子・加古佳子・河上めぐみ・ 塩谷誓勝・藤井努・宮窪大作

BBT出席者

中西代表取締役社長・滝澤代表取締役専務・奥田常務取締役・石田取締役業務局長・砂原報道制作局長・小島報道制作局次長兼報道制作部長・日高ディレクター・四津谷番組審議会事務局長


感想

  • 1月の大雪における除雪の問題点が県や市などの自治体や除雪業者の不備ではないことを、雪の降り方のグラフや除雪業者の行動履歴などの資料を使って わかりやすく説明できていた。
  • 富山県大雪検証会議の委員で、富山大学の中川教授の「大雪での渋滞の被害者は、実はその原因者でもある」とのコメントは、とても納得できた。
  • いざという時には「行政のやれることは限られる」。普段からの自治会行事や祭りなどはいざとなった時の結束力に繋がり、「コミュニティー力の必要性」を痛感した。
  • あの大雪の中、ゴミ回収が来てくれると思っている住民の姿や、除雪に対する苦情の件数が500件を超えていた事に、我々の意識にも多くの課題があると認識した。

意見

  • 除雪に従事する人の家族も大きな負担を担っていたことの発信もあれば良かったのではないか。
  • 実際に昼夜を問わず除雪車を運転していたオペレーターのインタビューや、除雪作業中の映像などあれば、除雪作業がいかに経験と熟練した技術を必要とするかを感じる事が出来たのでは。
  • 渋滞の被害者でもあり要因ともなった車での出勤など、大雪や災害時の出勤体制を見直した企業があれば、その判断や意見などを聞いてみたかった。