番組審議会

富山テレビでは、放送番組の適正を図るため番組審議会を置き、番組等に関して委員の意見をお聞きしています。
また、「BBTスクランブル」(今月は31日日曜日あさ5:20~5:30)内で、番組審議会の様子をお伝えしています。

今回の審議番組 (7月14日開催)

・平成28年5月28日(土)15時45分~16時40分 「見えない光~ユッケ集団食中毒事件 被害者家族の5年」
2011年4月、富山県を中心に発生したユッケによる集団食中毒事件。一連の食中毒では200人余りが症状を訴え、5人が死亡した。店の看板メニューは1皿280円のユッケ。楽しいはずの団欒の場で食の安全が脅かされた。警察は、業務上過失致死傷の容疑で立件を目指すが、感染経路が特定されず捜査は混迷の度を深めていく。店の運営会社と肉の卸売会社の責任のなすり合いに翻弄される遺族たち。ユッケの集団食中毒は、生食規制の強化となったが、その陰で救いのない被害者家族は、今も苦しみ続けている。事件発生から5年を前に、警察は店の運営会社の元社長ら2人を書類送検。しかし、その後の富山地検の判断は、2人を不起訴処分とした。検察は食中毒の原因をユッケと断定としながらも、当時の国の衛生基準を守り、ユッケを提供したとしても、被害を防ぐことができなかった可能性があると結論づけた。目に見えない菌はどこで付着したのか、感染経路が解明されることなく捜査は終結。なぜ大切な家族を亡くし、責任の所在が明らかにならないのか。被害者家族の5年を見つめる。

出席委員

委員長:野原 一司
副委員長:伊東 潤一郎(リポート出席)
委員:松田 英昭、園 博昭、岡本 倫子、加古 佳子、長田 拓哉、浅野 端(リポート出席)
※敬称略

BBT出席者

中西社長・前田専務・飯野取締役報道制作局長・滝澤取締役業務局長・堀田報道制作部長・小西ディレクター・寺崎事務局長

《感想》
・事件発生からもう5年が経過したのかと感じさせられ、改めて記憶を呼び起こさせてくれたことに感謝したい。
・丁寧に取材しており、事件の大きさや家族の感情などが非常によく伝わり、気持ちが寄り添った作品だった。
・5年間の苦悩が伝わってきた。大切な人たちを守るために必要なリスク管理や知識の大切さを今一度認識させてくれる意義ある
 番組だった。
・事件後、行政や医療機関がどう変わったかを伝えていた部分はよかった。

《意見》
・なぜ地元の弁護士が引き受けてくれなかったのかがわからなかった。
・大部分が被害者・弁護側の取材で、加害者や警察、検察の取材が少なく、これらの立場にも言い分はあったのではないか。
・警察、検察に踏み込んだ取材はできなかったのか。
・「由佳さんの世界でも不起訴だったのか?」という最後のナレーションには違和感を持った。亡くなってからも戦っているイメージ
  を抱かせるのは辛い。